「自信がない、考えない、行動できない」部下に、もう悩まない。現代のマネジメントが直面する根深い課題―エンゲージメントの低下、指示待ちの姿勢、静かな退職(Quiet Quitting)―に、かつてない視点から具体的な解決策を提示する一冊が登場しました。部下の「3つのない」は、彼らの能力不足ではなく、旧来のマネジメント手法が通用しなくなった現代の組織が抱える構造的な問題の表れです。

本書の比類なき価値は、著者である松江隆明氏自身の壮絶な人生経験に裏打ちされています。元キーエンスNo.1営業マンという輝かしい成功の頂点と、引きこもり・ホームレスという社会から断絶された絶望の淵の両方を経験した人物だからこそ語れる、机上の空論ではない、人の心を本質から動かすための知恵が凝縮されています。

本書が提示する核心は、部下の内面に眠る可能性を「覚醒」させること。給与や役職といった外的報酬だけでは人の心は動かない現代において、リーダーに求められるのは「感動」を設計し、部下の心に火を灯す力です。著者自身が論理ではなく、深い感情的・哲学的な気づきによって再生した経験に基づいたメソッドは、すべてのリーダーが学ぶべき、新時代のマネジメントの教科書と言えるでしょう。

【目次】

  • 第1章 「この人と一緒に仕事をしたい」と思われる上司になる
  • 第2章 部下が心を開くコミュニケーションのとり方
  • 第3章 部下が失敗を恐れず挑戦し、自信がもてるようになる導き方
  • 第4章 部下を感動させてやる気のギアを一気に上げさせる
  • 第5章 感謝と感動を広げ、やる気に満ちた組織へ

本書から学べる5つの核心メソッド

  • 1信頼関係の構築:部下が心を開く土台作り

    部下のやる気を引き出す第一歩は、テクニックではなく、上司自身のあり方です。本メソッドでは、部下が安心して心を開けるような信頼関係と心理的安全性を築くための原則を解説します。部下のモチベーションは「操作」するものではなく、良好な関係性の中から「生まれる」ものであることを学びます。

  • 2心を動かす対話術:やる気に火をつけるコミュニケーション

    関係性の土台ができたら、次に行動です。「あなたのことを気にかけている」と伝わる声かけや、「やる気を失わせる言葉・やる気にさせる言葉」の具体的な使い分けなど、部下の心に火をつけるためのコミュニケーション技術を詳述。明日からすぐに使える、実践的なツールが手に入ります。

  • 3挑戦を促す導き方:自信を育み、自律性を引き出す

    「自信がない」「行動できない」という課題に正面から取り組みます。部下の自己効力感を高める4つのポイントや、失敗を成長の糧に変える「ピンチをチャンスにする方法」など、部下が自律的に動き出し、挑戦を恐れない強さを育むための具体的な指導法を明らかにします。

  • 4「感動」の活用:モチベーションを最大化する究極の鍵

    本書のメソッドで最もユニークかつ強力なのが、この「感動」の活用です。これは、単なる称賛や報酬を超えた、人の心を根底から揺さぶる深い感情体験を指します。仕事の中に意味と感動を創造し、給与以上の「働く意味」を提供することで、部下のやる気のギアを一気に引き上げます。

  • 5組織文化の醸成:感謝と承認が循環するチームへ

    最後のステップとして、個人へのアプローチをチーム全体へとスケールアップさせます。承認と感謝が循環する組織文化をいかにして創り上げるか。最強の組織になるための「メンタリングセッション」などを通じて、一過性ではない、持続可能な「やる気に満ちた組織」への道筋を示します。

経営者・経営企画の皆様へ:本書がもたらす3つの経営変革

  • 1「静かな退職」時代のエンゲージメント向上

    現代の組織課題であるエンゲージメントの低下や人材流出に、根本的な解決策を提示します。本書のメソッドは、社員が自らの仕事に意味と誇りを見出し、組織への帰属意識を高めることを可能にします。報酬以上の「感動」という価値を提供することで、優秀な人材を惹きつけ、定着させる持続可能な組織基盤を構築します。

  • 2世代間ギャップを乗り越える組織OSの刷新

    「Z世代が理解できない」という経営層の悩みに、明確な答えを示します。旧来のトップダウン型マネジメントではなく、個人の価値観を尊重し、内発的動機付けを重視する本書のアプローチは、多様な価値観を持つ従業員が共存し、シナジーを生み出す新しい組織文化を創出します。これは、変化の激しい時代を勝ち抜くための組織OSのアップデートです。

  • 3どん底を知る著者だからこそ語れる「本物の」人材育成論

    本書の最大の強みは、著者の壮絶な実体験に裏打ちされた圧倒的な説得力です。キーエンスNo.1営業からホームレスまで経験した著者だからこそ、人の弱さも強さも知り尽くした上で、意欲を失った人間の心を本質から動かす方法を語れます。これは、経営者が従業員を深く理解し、組織のポテンシャルを最大限に引き出すための、他に類を見ない実践的哲学です。

事業部長・現場リーダーの皆様へ:本書がもたらす3つの現場変革

  • 1「指示待ち部下」が「自走する部下」に変わる

    チームの生産性を停滞させる「指示待ち」の問題を解決します。本書のメソッドを実践することで、部下は失敗を恐れずに自ら考え、行動するようになります。部下一人ひとりの自己効力感を高め、挑戦を促す具体的な導き方により、リーダーが細かく指示せずとも成果が上がる、自律的なチームへと変貌させます。

  • 2部下とのコミュニケーションの悩みが消える

    「どう接していいか分からない」「良かれと思ったフィードバックが裏目に出る」といったコミュニケーションのストレスから解放されます。本書は、部下が心を開き、前向きになる「声かけ」や言葉の選び方を具体的に提示します。これにより、日々の1on1やフィードバックが、部下の成長を加速させる質の高い時間へと変わります。

  • 3離職率が低下し、育成が「資産」になる

    時間と情熱を注いで育てた部下の離職は、リーダーにとって大きな痛手です。本書が示す、承認と感謝が循環するチーム作りは、部下のエンゲージメントを劇的に向上させます。「このチームで、このリーダーの下で働き続けたい」と部下に思わせる組織文化を構築し、育成コストを未来への確かな投資に変えることができます。