2011年3月15日朝、東京電力福島第一原発の爆発で噴出された放射性物質は、風に乗って北西へ運ばれ、雨とともに美しい村へ降った―。原発北西30~50キロ圏に位置する福島県飯舘村は、当初、村の一部以外避難区域に指定されていなかったが、次第に放射能汚染が明るみになり、4月22日、全域が計画的避難指示区域に指定されるに至った。村長・菅野典雄氏が、国やマスコミとの攻防と奮闘、命か暮らしかで決断を迫られたその時々の心の内、さらに「2年で村に帰る」展望など思いのたけを綴る。