日露戦争で、陸軍を率いてロシア軍を圧倒した兄・好古。海軍参謀としてバルチック艦隊を壊滅させた弟・真之。明治になってたかだか40年弱で、なぜ秋山兄弟のような世界に伍する人材が生まれたのか? 秋山兄弟の軍事的業績だけでなく、彼らを育てた明治日本の家庭、学校、軍隊での教育の考察を通して、逸材が生まれる社会、条件とは何かを探る。

第1章 戦闘開始――日露戦争の現場で
第2章 赤ん坊をお寺にやっちゃ厭ぞな――深い兄弟愛
第3章 秋山兄弟、近代教育に漬かる――最初は軍人志望ではなかった二人
第4章 初陣・日清戦争――騎馬と軍艦
第5章 海外で専門教育を受ける――ナポレオンとマハン
第6章 秋山兄弟以外の「秋山」たち――下級武士を動かしたもの
終 章 秋山兄弟の遺産――何を残し、何を残せなかったのか