「うちの職場には関係ない」「昔はこれが普通だった」――。
そんな意識が、職場の笑顔を奪うハラスメントの芽を見逃す原因になります。パワハラやセクハラだけでなく、多様なハラスメントが問題となる今、対策はすべての企業にとって喫緊の課題です。
本書は、特に人手や予算に余裕がない中小企業の経営者や管理職の皆様に向けて、ハラスメント対策の「何から始めればいいか」を具体的に解説する実践ガイドです。ハラスメントの定義や職場への悪影響といった基本から、具体的な予防策、相談窓口の設置、発生時の対応フローまで、イラストやQ&Aを交えてわかりやすく整理しました。
ハラスメント対策は、単なるリスク管理ではありません。社員が安心して働ける環境をつくることは、信頼関係を育み、生産性を高め、離職率の低下にもつながる「経営そのもの」です。この一冊が、皆さんの職場を笑顔にするための、確かな第一歩となることを願っています。
【目次】
- 第1章:ハラスメントとは何か
- 第2章:ハラスメントが職場にもたらす影響
- 第3章:ハラスメントを予防するための基本的対策
- 第4章:ハラスメントが起きてしまったら
- 第5章:小さな職場でも実践可能な取り組み事例
- 第6章:Q&Aでわかるハラスメント対策のポイント
本書から学べる3つのこと
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パワハラ、セクハラ、カスハラなど、多様なハラスメントの定義と具体例を平易に解説。ハラスメントが生産性の低下や離職率の上昇といった、経営に直結するリスクであることを数字や事例で具体的に理解できます。
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経営者が示すべき方針、管理職が行うべき研修、社員間でつくるべきルールなど、立場ごとに「何をすべきか」が明確になります。「ありがとうカード」や「ひとことメモ箱」など、コストをかけずに小さな職場でも始められる取り組み事例が満載です。
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相談窓口の設置方法から、被害者・加害者への聴取の進め方、プライバシー保護の注意点、再発防止策まで、ハラスメント発生時に企業として取るべき行動をステップ・バイ・ステップで学べます。Q&A形式で、よくある疑問にも的確に答えます。
中小企業の経営者・管理職の皆様へ:本書がもたらす3つの恩恵
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ハラスメントの放置は、訴訟リスクや企業の社会的信用の失墜に直結します。本書を通じて、法律が求める企業の義務を理解し、就業規則の整備や相談窓口の設置といった具体的な防御策を講じることができます。
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ハラスメント対策は、社員のエンゲージメントや定着率に大きく影響します。「安心して働ける」という心理的安全性を確保することで、採用コストの削減と、組織全体の生産性向上を実現します。
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「どこからがパワハラ?」という管理職の悩みに、具体的なケーススタディとQ&Aで答えます。部下との適切なコミュニケーション方法も学べ、自信を持ってリーダーシップを発揮できるようになります。