「何から手をつければいいかわからない」「トラブルが心配だ」。
法定雇用率が引き上げられ、待ったなしの状況にある中小企業にとって、障害者雇用は切実な経営課題です。しかし、多くの経営者や担当者が、その第一歩を前にして途方に暮れています。

本書は、元・大手リース会社の支店長で、異動先の人事部で障害者雇用と出会い、定着率9割以上の実績を上げた異色のコンサルタントが、その実践知のすべてを明かす一冊です。専門家ではなかったからこそ見つけ出せた、「現場で本当に必要なこと」だけを凝縮しました。

本書が示すのは、障害のある方が働きやすい職場は、実はすべての社員にとって働きやすい職場であるという事実。業務の棚卸しやルールの文書化といった「当たり前の見直し」こそが、会社を強くする最大の戦略です。障害者雇用を「コスト」から「投資」へ変える、中小企業のための新しい教科書です。

【目次】

  • 第1章 障害及び障害者雇用の基本知識
  • 第2章 採用業務前の準備
  • 第3章 自社に合った人材を知る
  • 第4章 安定的な雇用のためにすべきこと
  • 第5章 企業戦略としての障害者雇用

本書から学べる3つのこと

  • 1「何から始めるか」がわかる、超・具体的な準備ステップ

    障害者雇用は「採用前の準備が9割」。本書では、経営者が示すべき方針から、現場で行うべき「業務の棚卸し」、職場の「お作法」の文書化まで、中小企業が明日から取り組める準備のステップを具体的に解説。もう何から手をつけるべきか迷いません。

  • 2ミスマッチを防ぐ「採用と面接の技術」が身につく

    「どんな仕事をお願いすればいい?」「面接で何を聞けばいい?」。そんな疑問に、著者の豊富な経験から答えます。支援機関との連携方法、人が集まる求人票の書き方、能力を正しく見極める面接のコツ、そしてミスマッチを防ぐ「職場実習」まで、採用成功のノウハウが満載です。

  • 3定着率を高める「心理的安全性」の高い職場づくりを学べる

    採用後の定着こそが最も重要です。本書では、社員が安心して長く働けるための「心理的安全性」の高め方を解説。信頼を築く面談の進め方や、モチベーションを高める評価方法など、日々のマネジメントを通じて、障害の有無にかかわらず全社員が活躍できる職場をつくる方法がわかります。

中小企業の経営者・人事担当者の皆様へ:本書がもたらす3つの恩恵

  • 1法定雇用率達成を「企業の成長」につなげられる

    障害者雇用を単なる「義務」や「コスト」としてではなく、組織の課題を可視化し、業務効率化を進める「戦略的投資」と捉え直す視点が得られます。「数合わせ」ではない「質の高い雇用」が、会社全体の生産性を向上させます。

  • 2採用・定着のノウハウで、人手不足の時代を勝ち抜ける

    本書で紹介する「業務の棚卸し」や「丁寧なコミュニケーション」は、全社員の定着率向上に直結します。障害のある方が働きやすい職場は、結果的に誰もが働きやすい職場となり、採用競争が激化する中で「選ばれる会社」になるための土台を築きます。

  • 3現場の不安や不満を解消し、全社一丸の体制を築ける

    「他の社員から不満が出たらどうしよう…」。そんな現場の不安に対し、具体的な対策を示します。経営トップの明確な方針発信、受け入れ部署との丁寧な連携、全社員への説明責任を果たすことで、障害者雇用をきっかけに、より一体感のある強い組織をつくることができます。

現場の管理職・リーダーの皆様へ:本書がもたらす3つの恩恵

  • 1「どう接すればいいか」という漠然とした不安がなくなる

    専門知識がなくても大丈夫です。本書は、障害の有無に関わらず、一人の「新しい仲間」として向き合うための具体的なコミュニケーション方法を解説。「指示は具体的に」「できたことを褒める」など、すぐに実践できるマネジメントの基本がわかります。

  • 2チーム全体の生産性を向上させるきっかけが掴める

    障害のある社員に仕事を切り出すための「業務の棚卸し」は、チーム全体の業務を見直す絶好の機会です。ノンコア業務を任せることで、他のメンバーがより付加価値の高い仕事に集中できるようになり、チーム全体の生産性が向上します。

  • 3トラブルを未然に防ぎ、安心して働けるチームをつくれる

    職場の「暗黙のルール」を明文化し、定期的な面談で小さな不安の芽を摘み取る。こうした取り組みは、トラブルを未然に防ぐだけでなく、チーム内の「心理的安全性」を高めます。誰もが安心して意見を言える風通しの良いチームづくりに貢献します。