あなたのスマートフォンに届く一通のメッセージ。SNSで見かけた「高収入」を謳うアルバイト募集。見知らぬ相手からの親密なダイレクトメッセージ。これらは、もはや私たちの日常風景の一部です。しかし、その画面の向こう側には、かつて私たちが教わってきた「防犯の常識」が全く通用しない、巧妙で悪質な脅威が潜んでいます。

闇バイト、SNSでの誹謗中傷、ロマンス詐欺、サイバーテロ――。スマホとSNSの爆発的な普及、そしてグローバル化の波は、犯罪の手口を根底から変えました。脅威はもはや、暗い夜道や留守中の家にだけ存在するものではありません。それは私たちのポケットの中に、リビングの団らんの中に、そして子供たちの部屋の中にまで、静かに、しかし確実に入り込んできているのです。

本書は、この「新しい時代の脅威」から、あなたとあなたの大切な家族を守るための、究極の生存戦略マニュアルです。著者は、警察人生42年、うち31年間を殺人・強盗・誘拐といった凶悪犯罪の最前線で戦い抜いてきた元・徳島県警捜査一課警部、秋山博康氏。数々の警察密着番組で「リーゼント刑事」として名を馳せた伝説の男が、その全キャリアを懸けて、現代日本のすべての国民に伝えたいことがある。それは、「他人ごとではないで！ 多くの犯罪は手口を知ることで未然に防ぐことができるんや！」という魂の叫びです。本書は、単なる知識の羅列ではありません。これは、犯罪者の思考を読み解き、その一歩先を行くための、実践的な「知恵の兵法書」なのです。

【目次】

  • 第１章 闇バイト・特殊詐欺・サイバーテロ・ロマンス詐欺
  • 第２章 新しい交通ルール
  • 第３章 違法薬物・町の危険
  • 第４章 ＳＮＳトラブル・誹謗中傷
  • 第５章 性犯罪・ＤＶ・ストーカー
  • 第６章 海外の防犯・オンラインカジノ・殺人

本書が提供する3つの究極の対抗策

  • 1知識で武装する：犯罪者の「脚本」を先読みし、脅威を無力化する

    本書の最大の武器は、犯罪者の手口、すなわち彼らの「脚本」を徹底的に解剖し、読者に提供する点にあります。例えば、闇バイトの募集はどのような言葉で若者を誘い込むのか。ロマンス詐欺師は、いかにしてターゲットの心を掴み、金銭を要求するに至るのか。本書は、「犯罪者が人を騙すときによく使う『誘い文句』集」といった具体的なツールを用い、その巧妙な心理トリックを白日の下に晒します 。これは単なる危険回避術ではありません。相手の戦略を完全に理解することで、あなたはもはや「狙われる対象」ではなく、脅威を冷静に見抜き、回避できる「観察者」へと変わるのです。犯罪は、その手口が知られた瞬間に、その威力の多くを失います。

  • 2「図鑑」で学ぶ：家族全員の防犯リテラシーを劇的に向上させる

    本書が「図鑑」という形式を採用しているのは、極めて戦略的な理由からです。複雑化する現代の犯罪から身を守るには、家族全員が共通の知識を持つことが不可欠です。本書は、難解な専門用語を避け、「わかりやすい図解」を駆使することで、子供から高齢者まで、誰もが直感的に危険を理解できるよう設計されています。親が子にSNSの危険性を教えるとき、子が年老いた親に特殊詐欺の手口を説明するとき、この「図鑑」は家族の間に「安全」という共通言語を創り出します。「危ないからダメ」という抽象的な注意ではなく、「このパターンは詐欺の可能性が高い」という具体的な対話が可能になる。これは、家庭という最も重要な砦の防御力を、根底から引き上げる画期的なアプローチです。

  • 3刑事の眼を養う：犯罪者の心理を読み解き、危険の予兆を察知する

    31年間、数え切れないほどの犯罪者と対峙してきた著者だからこそ語れる、生々しい洞察。本書の真髄は、この「刑事の眼」を読者に授ける点にあります。データや統計だけでは決して見えてこない、犯罪に走る人間の心理、行動原理、そして犯行前の微細な予兆。本書に収録された「リーゼント刑事の警察人生」や「警察が使う業界用語集」といったコラムは、単なる読み物ではありません。それは、法を犯す者と法を守る者の双方の視点から、事件の本質を立体的に理解するための貴重な教材です。これにより、読者は日常に潜む違和感を鋭敏に察知し、トラブルを未然に回避する「危機察知能力」を養うことができます。

こんな「まさか」に、この一冊があなたを守る

  • 1【保護者・若者の皆様へ】「高額報酬バイト」という甘い罠から身を守るために

    「簡単に稼げる」「即日現金」。SNS上に溢れるこれらの言葉は、未来ある若者を使い捨てにする「闇バイト」への入り口です。一度足を踏み入れれば、加害者となり、逮捕され、一生消えない傷を負うことになります。本書の第1章「闇バイト・特殊詐欺」では、犯罪組織がどのように若者を勧誘し、心理的に追い詰め、抜け出せなくするのか、その数々の手口を詳述。親子でこの現実を知ることが、誘惑を断ち切り、自分や我が子の未来を守るための最も確実な一歩となります。

  • 2【すべてのスマホユーザーへ】画面の向こうの悪意から、心と財産を守るために

    SNSでの何気ない投稿が、ストーカー被害や誹謗中傷の引き金になる。マッチングアプリで出会った理想の相手が、実は資産を狙うロマンス詐欺師だった。現代の人間関係は、常にデジタルリスクと隣り合わせです。本書の第4章「SNSトラブル」、第5章「性犯罪・DV・ストーカー」では、オンライン上の人間関係に潜む危険を見抜く方法、個人情報を守るための具体的な設定、そして万が一被害に遭った際の対処法までを網羅。あなたのデジタルライフを、見えない脅威から守るための必須知識がここにあります。

  • 3【すべての国民へ】日常に潜む「見えない危険」から命を守るために

    私たちの日常は、改正された交通ルール、巧妙化する薬物の勧誘、繁華街に潜む危険など、意識しなければ気づけないリスクに満ちています。本書は、サイバー犯罪だけでなく、「新しい交通ルール」や「町の危険」といった物理的な世界の防犯知識もアップデートします。これは、特定の誰かのための本ではありません。日本で生活するすべての人々が、平穏な毎日を送り続けるために最低限知っておくべき、まさに「令和版の国民的教科書」なのです。