本書は、奥田シェフが長年にわたり自身のSNSやメディア等で発信し続けてきた「庄内地方の圧倒的な魅力と可能性」を一冊に集約し、さらに綿密な現地取材と再検証を重ねて構成された全264ページの豪華オールカラー書籍です。単なる観光スポットの紹介にとどまらず、風土・食材・生産者・歴史文化が織りなすディープな物語を、美しいビジュアルとシェフ自身の言葉で緻密に紡ぎ出しています。足かけ3年以上の歳月をかけて庄内各地を歩き尽くし、土地の息吹をそのまま凝縮した本書は、庄内の魅力を余すことなく体感できる唯一無二のビジュアルアーカイブであり、読み終わったときには庄内に行ってみたくなっている一冊です。

【目次】

  • 第一章 庄内ってどんなところ?
  • 第二章 庄内編 庄内の食をめぐって
  • 第三章 鶴岡編 鶴岡の歴史、文化、建物
  • 番外編 鶴岡を彩る人たち
  • 第四章 出羽三山編 出羽三山
  • 第五章 酒田編 酒田の街の魅力
  • 第六章 鳥海山編

本書から学べる3つの大事なポイント

  • 1地元の宝ものを自分たちで見つける「勝手に百景」の考え方

    本書が教えてくれる一番大切な考え方が「勝手に百景」です。偉い人や有名な人に選んでもらうのを待つのではなく、地元で暮らす自分たちが自分の足と目で歩き、何気ない景色や食べ物、つくり手さんの思いを「宝もの」として自由に見つけていきます。見落としがちな里山や農道の風景にも物語を見出すことで、普段からそこにある地元の価値を、誰もが認める誇らしい文化に変えていく方法が学べます。

  • 2「食のまち」をつくった伝統野菜と地産地消の助け合いモデル

    この本を支えているのは、単なる「おいしいお店紹介」ではなく、食を通して地域を元気にしていった実際の成功体験です。地域の歴史の中で大切に守られてきた「藤沢かぶ」などの伝統野菜に光をあて、奥田シェフは素材の美味しさを一番引き出す調理法で最高のごちそうに仕上げました。これが農家さんの収入ややりがいにつながり、たくさんの人が観光に訪れる大きな理由になったのです。「食べ物が起こした素晴らしい変化」として証明された、農家さんとお店と観光が一緒になって地域を豊かにする仕組みは、全国の地域づくりのお手本になります。

  • 3「素材同士を会話させる」奥田シェフならではの工夫

    奥田シェフの料理の工夫は、「素材同士を会話させる」という考え方と、その土地への深い愛情にあります。食材が持っている水分や塩分、温め方を細かく調整し、濃いソースや調味料を使わずに素材そのものの美味しさを引き出します。これは、自然の恵みをイタリア料理という誰もが楽しめる形へわかりやすく変えて届ける技術であり、地域の魅力を外へ発信したいすべての人にヒントを与えてくれます。

経営者・自治体・地域づくりリーダーの皆様へ:本書がもたらす3つの変化

  • 1「何もないまち」から魅力を引き出す「ストーリーづくりの力」がつきます

    地域おこしでよくあるのが「うちの地域には自慢できるものがない」という悩みです。本書は、歴史や文化、水族館、農家さんの畑まで、身近なものの魅力を発見する視点を教えてくれます。大きな建物を建てるお金をかけなくても、「今ある地元の宝もの」の物語を紡ぎ、そのまちならではの良さを形づくる力が身につきます。

  • 2都市部の人とつながり「地域の応援団」を増やす工夫が学べます

    一回訪れて終わりではなく、地域を何度も訪れたり応援してくれる「ファン」を増やすことが大切です。この本ができる過程でも、ネットでの情報発信、協力してくれる人を募る取り組み、都内でのイベント、ツアーなど、たくさんの人とつながる工夫がなされました。一冊の本をきっかけに都市と地方が温かくつながり、ずっと続く関係をつくる方法が提示されています。

  • 3どこにも真似できない「強い地元の強み」をつくれます

    よくある特産品の販売や値段の安さ勝負はすぐに真似されてしまいますが、その土地の歴史・食べ物・人々の温かい繋がりから生まれた「食のストーリー」は誰にも真似できません。地域の中でお金や感謝の気持ちがぐるぐる巡る仕組みをつくることで、時代の変化にも負けない、息の長い地域の土台を整えることができます。

お店・観光・現場リーダーの皆様へ:本書がもたらす3つの変化

  • 1身近な食材の価値を高める「伝え方」が身につきます

    高級な食材だけに頼るメニューづくりには限界があります。本書では、地元のキュウリやサザエ、お肉や旬の果物といった普段の食材でも、つくり手のこだわりや組み合わせの工夫を伝えることで喜んでもらうコツが書かれています。現場のスタッフが単にお料理を運ぶだけでなく、「土地の良さを届ける案内人」として自信をもって働けるようになります

  • 2生産者さんと強い絆で結ばれた「協力体制」ができます

    本当に美味しい食材を仕入れるには、農家さんや漁師さんとの信頼関係が不可欠です。奥田シェフは自分から畑や漁港に足を運び、つくり手さんの苦労や情熱に耳を傾けて絆を深めてきました。本書に登場する生産者さんたちの姿からは、単なる売り買いの関係を超えた「一緒に地域を良くしていく大切な仲間」としての関わり方を学べます。

  • 3「人に喜んでもらう」思いやる心でチームが育ちます

    奥田シェフは「お店の仕事は人に尽くし、その人の時間を豊かにするためのお仕事」だと語ります。色々な大変なことを乗り越えてこの本を作り上げた情熱の裏には、地域や人々への温かい愛情があります。この思いをみんなで分かち合うことで、スタッフ一人ひとりが自分で考え、最高のおもてなしを届ける素敵なチームへと成長していきます。