人生100年時代を迎え、体の健康と同じくらい気になるのが「脳の若さ」ではないでしょうか。レジ待ちでイライラしてしまったり、つい店員さんにきつく当たってしまったり……。ときどき話題になるそうした姿は、性格のせいではなく、前頭葉をはじめとする脳の働きが衰える「老人脳」が引き起こしている生理的なサインです。年齢を重ねてもいつも穏やかで知的な人がいる一方で、頑固になってしまう人がいるのはなぜなのでしょうか。

本書は、その決定的な違いを最新の脳科学から解き明かし、何歳からでも脳を若々しく保つコツを分かりやすくまとめた一冊です。著者の西剛志先生は、自ら難病を脳科学のアプローチで克服した経験を持つ研究者であり、これまで数万人の方々にアドバイスを行ってきました。難しい理論ではなく、毎日の生活ですぐに試せてしっかり実感できる「脳の若返り習慣」が満載です。

本書の嬉しいメッセージは、「歳をとる=脳が衰える」という思い込みを吹き飛ばしてくれる点にあります。毎日の習慣や考え方を少し変えるだけで、「脳の老化の40%以上は日々の過ごし方で防ぐことができ、80代になっても脳は成長し続ける」のです。いつまでも若々しく元気でいたいシニア世代の方はもちろん、頭の冴えをキープして働き続けたいビジネスパーソンにも、ぜひ手にとっていただきたい内容です。

【目次】

  • 第1章 自分ではなかなか気付けない『脳の老化』
  • 第2章 いくつになっても老人脳にならない人は一体何をしているのか
  • 第3章 あなたの脳の老化度がわかる診断
  • 第4章 老人脳にならないための運動
  • 第5章 老人脳にならない健康の習慣
  • 第6章 老人脳にならない生活習慣
  • 第7章 老人脳にならないマインドのつくり方
  • 第8章 老人脳にならない人間関係のつくり方
  • 第9章 ストレスと認知症を遠ざける方法

本書から学べる3つの核心

  • 180代でも脳が若い「スーパーエイジャー」に学ぶ脳の柔軟性

    世の中には、80歳を過ぎても20代や30代と変わらない記憶力や冴えた頭を保ち続けている「スーパーエイジャー」と呼ばれる人たちがいます。脳は刺激や使い方次第で、いくつになっても新しいネットワークを作り直すことができる素晴らしい力(可塑性)を持っています。語彙力のように60代後半から70代にかけてピークを迎える能力があるように、年齢を理由に諦める必要はまったくありません。本書は、「脳の老化の40%以上は、毎日の習慣の積み重ねで防ぐことができる」という確かなデータをもとに、誰でも今日から始められる脳の育て方をやさしく教えてくれます。

  • 2自分の弱点がひと目でわかる「5つの老人脳タイプ」とぴったりの対策

    「物忘れが増えた気がする」「最近なんだかイライラしやすい」と感じたら、それは脳全体が衰えているのではなく、特定の場所がお疲れになっているサインです。本書では老人脳を「やる気脳」「記憶脳」「客観・抑制脳」「共感脳」「聴覚脳」の5つに分かりやすく整理しています。目を閉じての片足立ちテストや簡単なチェックシートで自分の弱点を手軽に見つけ出し、耳のケアからバランス運動まで、自分に一番合った方法でピンポイントにアプローチできます。迷わず無理なく続けられる、頼もしいケアの指針が見つかります。

  • 3「気持ちの持ち方」と「言葉の魔法」で脳と体をリフレッシュ

    脳と体の若々しさを保つうえで、とても大切なのが「自分の年齢をどう思っているか」と「どんな言葉を使っているか」です。研究でも証明されているように、「自分は若い!」と本気で思い込むだけで、姿勢や歩くスピード、さらには血圧や血管の若さまで良い変化が現れます。さらに本書では、脳が文章の最後の言葉を強く意識する性質をいかして、愚痴や弱音のあとに前向きな言葉を足す「でも」の法則や、億劫なことでも最初の一歩が踏み出せる「20秒ルール」など、心が軽くなってやる気が自然と湧いてくる実践的なコツをたっぷり紹介しています。

シニア・いつまでも元気でいたい皆様へ:本書がもたらす3つの嬉しい変化

  • 1「もう歳だから」を手放して、毎日がワクワクと意欲で満たされる

    「もう歳だから仕方ない」と諦めてしまうことこそが、実は脳の若さを奪う一番の原因です。本書で「気持ちを若く保つ仕組み」を知ることで、年齢という数字にとらわれる毎日から心地よく抜け出すことができます。「やってみたい」「楽しそう」という素直な気持ちを大切に新しい趣味や活動を始めることで、やる気を引き出すドーパミンが脳内にあふれ、日々の暮らしに生き生きとした活力と喜びが戻ってきます。歳を重ねることへの不安が、明日に向けた楽しみに変わっていきます。

  • 2いつも笑顔で穏やかに、家族や周りの人から愛される存在へ

    前頭葉のブレーキ機能が少し弱まると、つい感情的になったり頑固になってしまったりして、大切な家族や友人との関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。本書が教えてくれる冷静さを保つトレーニングや、相手を思いやるコミュニケーションの工夫を取り入れることで、自分の感情を優しくコントロールできるようになり、周囲に安心感を与える温かい人柄をずっと保ち続けることができます。誰もが安心して話しかけたくなるような、笑顔と信頼に満ちた素敵な毎日が築けます。

  • 3「脳活ドリブル」とバランス運動で、ずっと元気な足腰と頭をキープ

    いつまでも元気に動ける体をつくるためには、ただ漫然と散歩をするだけでは少し物足りません。本書でおすすめしているボールを使った「脳活ドリブル」のように、目で見て手足でリズムをとる楽しい運動や、目を閉じての片足立ちを取り入れることで、転倒を予防する筋力・バランス感覚と、脳の神経ネットワークの両方をいっしょに鍛えることができます。自分の足でしっかり歩き、自分の力で暮らしを楽しむ、いつまでも自由で安心な健康生活が手に入ります。

働く現役世代の皆様へ:本書がもたらす3つの仕事力アップ

  • 130代からの「隠れ脳疲労」に気づき、毎日の集中力とスピードをアップ

    「新しいツールの使い方を覚えるのが億劫」「仕事の段取りが以前よりスムーズにいかない」と感じたら、それは単なる忙しさだけでなく、30代から始まっている前頭葉の疲れのサインかもしれません。本書の5つのタイプ診断を使って自分の状態をチェックすれば、「とりあえず20秒だけやってみる」という作業興奮のスイッチや上手なマルチタスクのこなし方を通じて、集中力と決断力をすっきり取り戻すことができます。日々のパフォーマンスを高い水準に保ち、知的生産性を長く維持できます。

  • 2思い込みや固定観念を外し、チームを伸ばす「共感力」を手に入れる

    過去の成功体験にこだわってしまったり、若いメンバーの意見を頭ごなしに否定してしまったりするのは、脳の客観力や共感力が少しお休みしている証拠です。本書で紹介されている「共感脳を動かす言葉遣い」や「上手なうなずき方」を職場に取り入れることで、自分自身の思い込みに気づき、周りのメンバーが安心して意見を言える温かいチームの雰囲気をつくることができます。職場のコミュニケーションが円滑になり、メンバーの力を引き出すリーダーシップが自然と身につきます。

  • 3「手帳の書き方」を工夫して、将来にわたって長く活躍できる土台をつくる

    目の前の忙しいタスクをこなすだけの日々が続くと、未来を見据える脳の力が少しずつ鈍くなってしまいます。本書で紹介されている手帳術――「1年後に叶えたい楽しい目標」を書き留めたり、一日の終わりに小さな成功をメモしたりする習慣――を続けることで、脳にやる気と安心感を与え、時代の変化や環境の移り変わりにも柔軟に対応できるしなやかな心が育ちます。年齢を重ねても頼りにされ、自分らしく生き生きと活躍し続けるキャリアの基礎が整います。